“ふじのくに”から飛躍するアーティスト紹介

04

写真ヤマハ吹奏楽団
Yamaha Symphonic Band

吹奏楽

2016年4月、アクトシティ浜松にて50回目の記念となる定期演奏会を開催するヤマハ吹奏楽団。
今回、吹奏楽団の幹事長で、ホルンを演奏している上田健太さんにお話を聞かせていただきました。

[インタビュー日時]
2016年3月 ヤマハ工場内にて

---

Q1..
ヤマハ吹奏楽団は、現在(2016年3月)、何名で活動されていますか? みなさん、会社では主にどのような仕事をされている方が多いのでしょうか?

A1.
約70名で活動しています。メンバーの多くは実際にヤマハの管楽器や打楽器を作っており、そのほかには管楽器や電子楽器の設計者もいます。


Q2.
団員の皆さんの中に静岡県出身の方はどのくらいいらっしゃいますか? 県外出身の方々は全国各地からいらっしゃっているのでしょうか?

A2.
静岡県出身者は全体の1/3くらいです。その他には北海道から沖縄出身まで全国から楽器好きが集まっています。


Q3.
上田さんは地元浜松からヤマハに入社したと伺っています。楽器の街から今は音楽の都といわれている浜松の印象はどんな感じだったでしょうか?

A3.
生まれも育ちも浜松なので、正直小さい頃は特に意識したことはありませんでした。ただ、県外の大学に通っていた時に、周囲から「浜松は楽器のイメージだよね」と言われたときに改めて音楽に溢れた環境で育ったのだと気付かされました。



Q4.
学生時代に吹奏楽部で楽器を経験している方がほぼ全員かと思いますが、学生の頃からヤマハ吹奏楽団に憧れて入社された方も多いのではないでしょうか。上田さんもそのお一人ですか? 学生時代に思い描いていたヤマハ吹奏楽団のイメージと、実際に入団して今から感じる印象に違いはありますか?

A4.
団員の話を聞くと「学生のときから憧れていました!」という人もいますね。私もその中の一人です。
高校生時代のヤマハ吹奏楽団のイメージといえば、「きっとすごく厳しくて怖い人たちの集まりなんだろうな…」と思っていましたが、いざ入団してみると幅広い年代の人たちが一人一人活躍していて、良い意味で”個性的”な楽団だと感じました。



Q5.
会社に入ってからも演奏活動を続けるには相当な情熱やエネルギーがなければ難しいように想像できますが、やはり吹奏楽や楽器について興味や関心の高い人が多いのでしょうか?また、団員同士の普段の生活のなかで音楽談義などで盛り上がることはありますか?

A5.
皆それぞれの目的をもって楽器を続けているので、やはり楽器や音楽に対して特別な想いを持っている団員は多いと思います。仕事や楽団の活動の時間を合わせると一日のうちの大半を一緒に過ごしていることもあり、趣味や仕事など話がつきませんね。


Q6.
ヤマハ吹奏楽団は、吹奏楽コンクール全国大会で最多金賞を受賞されている名門中の名門ですが、特にコンクールの場合、一般の方々は「ヤマハは全国“金”」って当たり前に思われている人が多いと思います。団員の皆さんにとって、それが誇りでもあり、プレッシャーにもなりそうに思いますが、実際はどうですか?
逆にそれが高いモチベーションを保っているような側面もありますか?

A6.
”ヤマハ吹奏楽団=金賞”と思っていただけることはとても光栄です。ただ、金賞を取ることが全てではないとも思っています。コンクールに限らず、どのコンサートも練習の過程を大切に考えていますし、本番では精一杯演奏することに集中しています。



Q7.
常任指揮者の須川展也さんをはじめ、定期演奏会やこれまでもCDのレコーディングなどで著名な指揮者を数多く迎えて活動されていて、プロの楽団のような印象ですが、団員の皆さんの感性や技術をさらに高めているのではないかと思います。そのことが、逆に会社での楽器づくりの仕事にフィードバックされる側面もあったりするのでしょうか?

A7.
どなたも演奏家や音楽家として第一線で活躍されている方々なので、貴重な音楽経験をしていると感じています。また、直接的に楽器づくりにつながる訳ではありませんが、須川さんの真摯に音楽に向かっておられる姿勢は、私たちのモノづくりに向き合う姿勢においても見習う点は多いと思います。


Q8.
もう一つ、逆の観点からお伺いします。管楽器や打楽器など楽器づくりの仕事をしている社員だけで編成されている楽団はほかにはなく、ヤマハならではのことかと思います。楽器づくりの仕事が、演奏活動に与えるものには、どのようなことがあるとお感じですか?

A8.
私は高校生時代からこのヤマハのホルンを使っていますが、ヤマハに入社して実際に私の楽器を作った人たちを知った時、今までに増してこの楽器に愛着が湧きました。今度は私がヤマハ吹奏楽団の一員として演奏を通じてより多くの皆さまに、ヤマハの管楽器を作っている人がどんな人物かを知っていただき、楽器に対して少しでも愛着を感じてもらえることがあるのならば、たいへん嬉しく思います。



Q9.
ヤマハは都市対抗野球の応援もされていますね。高校や大学の吹奏楽部のような活動もされていますが、コンクールもそうですが、団員の皆さんはいつまでも学生のように若いエネルギーを持ち続ける方も多いのではないでしょうか。学生時代の吹奏楽の体験は、学生だから没頭できる特権のような面もあるかと思いますが、社会人になっても継続されている毎日を過ごされて、実際のところはどうでしょうか?

A9.
仕事と演奏活動とプライベートの両立は容易ではありませんが、その分、演奏会やコンクールなど、本番を終えた後の達成感は大きなものとなります。それは学生でも社会人でも変わらず、それが次の本番に向けてのエネルギーになっているのだと思います。


Q10.
最後ですが、歴史と伝統があるヤマハ吹奏楽団のファンは、浜松をはじめ、全国に大勢いらっしゃると思います。特に、中学校や高校の吹奏楽部で楽器を演奏している学生たちに、ヤマハ吹奏楽団の団員の立場からメッセージをお願いします。

A10.
音楽は一生を通して付き合えるものだと思います。ふとしたところで音楽は流れていますし、それを聴いて楽しんだり、切なくなったり、時には昔のことを思い出したり…。
今自分の手元にある楽器で、それらを表現できていることはとても幸せなことだと思います。演奏を楽しみにしている友人や家族、全ての人たち、そして自分自身のためにも、ぜひいつまでも楽器を続けていただきたいと思います。

---

上田さん、インタビューにご協力ありがとうございました。
 
 

PROFILE 

ヤマハ吹奏楽団

1961年に創部したヤマハ吹奏楽団は、ヤマハ株式会社およびヤマハグループの従業員によって構成され、楽団員はヤマハの管楽器や鍵盤楽器づくり、電子楽器の設計などに携わる。なかには自身で製作した楽器を演奏する団員もおり、まさに楽器を知り尽くした「匠の集団」とも称されている。主な活動は浜松市を拠点とした演奏活動の他に、毎年新曲を委嘱しこれまでに60曲以上の新たな吹奏楽レパートリーを提供し続けている。また、全日本吹奏楽コンクールでは、2014年に全部門最多となる32回目の金賞受賞を重ねるほか、2015年には、ザ・シンフォニーホール(大阪)にて単独公演開催やCD「ヤマハのオト ~奏でる匠のオト~Ⅰ」をリリースするなど活動の幅を広げている。なお永年にわたるこれらの活動に対し、1995年に第34回静岡文化奨励賞、2010年に第20回日本管打・吹奏楽アカデミー賞を受賞するなど、日本の吹奏楽界のなかでも歴史をもつ吹奏楽団のひとつとして精力的に活動している。

[公式ホームページ]
ヤマハ吹奏楽団ホームページはこちら